「ハッタリなんかじゃ…ない。
あたし……
先輩が好きなの‼
先輩に恋してるの。
だからお願い、
どこにもいかないで!
あなたなしじゃ、
生きていけないの…。
愛してるから」
もう自分が今どんな顔してるかも分からない。
でもきっとすがるような瞳をしていて
苦悩や心の中の葛藤がぐちゃぐちゃになって表情にあらわれているはずだ。
先輩はそんなあたしを伏し目がちに見ながら
一瞬、
頬の筋肉を緩め、口角を少しだけあげて、
勝利の笑みをフッとこぼした。
分かってる、あたしは先輩の誘導尋問にまんまと引っかかった。
それが面白くてたまらないのだろう。

