先輩ははっきりさせるつもりなんだよね、
白か黒か……。
選択肢を見せつけて
あたしに言わせるつもりなんでしょ?
先輩の目に見える拒絶はあたしを追いつめる。
そして
理屈を超えて、強烈に、
あたしを打ちのめした。
先輩よりも啓が大事なはずなのに…。
どうして瞳がこんなふうにうるうるしているのか、
どうして胸のあたりがチクチクと痛むのか。
今すぐ立ち上がって先輩のもとへ駆け出したくなるのはどうしてか…。
自分に怒りが爆発しそうだった。
心底苛立ちを覚えるのは曖昧なあたしのせい。
一緒に、あるべつの感情がこみ上げてきた。
だけど、この感情は決して許されるようなものじゃなかった。
これじゃあただのわがまま。
理不尽な要求なのだ。
だけど……。
本当に手放せる?

