先輩、どうしてこんな歌…。
そう思いながら、ピクリとも動かない彼の横顔を見つめる。
きっと、あたしは今…
ひどい顔してる。
「分かってるよ、言いたいことぐらい。俺だろ?まさに…」
気だるそうに語り出す先輩。
先輩の端正でキレイな顔はこちらを向かない。
先輩のチョコレートブラウンの瞳はほんの一瞬歪んで
あたしを捉えようとしない。
そんな先輩を見てるのは酷く心が痛んだ。
ふーっと息を吐き面倒くさそうに
話を付け足した先輩。
「だから買ったんだよ…」
あたしには先輩の本心が掴めない。
だって先輩はあたしより何倍も大人で
自分の心に鍵を掛けるのが凄く上手いでしょ。
でも
あたしは今、先輩の心に
誰も立ち入れないその場所に足を踏み入れようとしてるのかもしれない。
ねぇ、先輩…
お願いだから逃げないで。
あたしはあなたの隣にいるから。

