【完】甘い恋よりもそばにいて


「実は私…」


彼女がそう口を開いたときには声も穏やかになっていた。


その様子にあたしは安堵の息を漏らす。


「今からすごく、すごく大切な人と会う約束をしてて。
本当に大事な約束なんですけど、
道に迷ってしまいまして……」



顔を赤らめて恥ずかしそうにする。

あたしは思わず拍子抜け。




道に迷ったって…。

どんな分かりずらい場所で待ち合わせしてるんですか…?