【完】甘い恋よりもそばにいて


とくに感情などこもっていない顔で


淡々と話を進める先輩はまるで悪魔のよう。



あたしの分からないどこかを見つめ、



口元だけ荒っぽく熱っぽかった。



彼はきっと知っているのだ、



この話題についてあまり



あたしが知りたがっていないということを。



耳を塞ぎたかったがやめた。



声を張り上げてやめてと叫びたかったがやめた。






いつかはどうせ知ることなのだから。