「もしかしてうなされてんのか?」 莉華の左の頬に優しく手を置きながら俺は言った。 「ごめんっ、ごめんね。......啓」 一瞬で。 一瞬で分かってしまったんだ。 莉華の放った言葉はほんの一秒もかからずに 俺の耳へ、それから脳に浸透していく。