【完】甘い恋よりもそばにいて


何本か電車を乗り継いで何分か歩いた。


「確かこっち…いや…あっち?」


あからさまに道に迷った。


すかさず携帯を取り出して莉華に連絡を取ろうとした。



パタンッ


でも俺はすぐに携帯を閉じた。



なんとなくアイツを驚かせたい気分になったから。



自力で家まで……そう思った。



澄み渡る青空を見上げた時、俺は気付いた。



莉華の見覚えのあるマンションが目の前にあることに…。



「あのまま連絡取ってたら、
 俺なんかめちゃくちゃダサかったな…」



そう鼻で笑いながらつぶやいた。


微かな記憶をたぐり寄せ



なんとか部屋の前まで到達した。



正直そこまで手の込んだことをするつもりはないし



普通にインターホンに手を伸ばした。