【完】甘い恋よりもそばにいて


不意に脳裏にフラッシュバックした記憶が鮮やかに蘇った。



*   *   *   *

「で、どうなのよ?」


「え?なにが…?」


さっきしてたくだらない世間話のときとは


まったく違う波羅の表情にあたしは一瞬驚いた。


「だから啓のことだってば!!
 あたし啓は莉華のこと好きだと思うんだけど…」


「何言ってんのよ、
 啓があたしのこと好きって…どっかで頭でもぶつけてきたわけ?」



「え~そう?あたし絶対啓は莉華のこと好きだと思うんだけどなぁ。」


そんなことあるわけない。


「なんでそんなに自信満々なわけ?向こうにはそんな気ないって言ってるじゃん」


「向こうにはって言うことはそっちにはあるんじゃん。
 隠しても無駄だよ。莉華すっごいわかりやすいし、
 てかさ莉華にぶすぎ。なんか莉華にだけ特別じゃん、アイツ」


「もう…変な期待させないでよ!!
 たとえあたしが啓のこと好きだとしても
 啓があたしを好きだなんてあり得ないから」


「じゃあさ、もしだよもし。告白されたらどうする?」


突然の質問に戸惑った。


だけどすぐに答えは出てきた。


「友達でいたいって言う…」


「はぁ?!なんで好きって言わないのよ!!」


「この関係でいたいから。前に進むのが怖いんだよ。
 もし付き合ったとして別れたらもう友達には戻れないでしょ?
 あたしはそれが嫌なの。」


「そんなバカみたいなこと言ってると後悔するよ?」


波羅はあたしのほっぺを両手でつまんで言った。


「いいじゃん、別に。
 波羅には関係ないもんっ。てか痛い、やめてよ」


*   *   *   *


あたし…やっぱり…ダメだ。