【完】甘い恋よりもそばにいて


「もう無理かも…」


小さくつぶやいた啓、何を言ったかよく分からなかった。


だからあたしは顔を上げて啓の顔をちゃんと見ようとした。


「マジ自信とか余裕とか……
 そういうの全然ないんですけど」


あたしの目を見て真剣な顔つきで言ってきた啓。


どういう意味……?





「………ちょっ…えっ!!」





啓はあたしを自分の方へ引き寄せて抱きしめた。






気づけばあたしの唇と啓の唇があと数ミリ…そんな距離にいた。







この状況にただ固まってしまう。






早く何か言わなきゃ。






分かってる理解してる、







だけどどこかで馬鹿な期待感があたしにそうさせてくれない






あたしは反射的に目を閉じ、






うるさい心臓に耳を澄ませる。










そしてあたしたちの唇は静かに重なり合った。