【完】甘い恋よりもそばにいて


それから結構移動した。


だいぶ歩かされて疲れもピークに達してる。


「ちょっ……ちょっと啓…、
いつまで階段上らせんのよっ!!」


啓はあたしを置いてきぼりにして


スタスタと階段駆け上がってく。


冷たっ!!もっと優しくしてよって期待も無駄かぁ。


何段か先……そのくらいの距離なのに。


こんなに近くにいるのに……遠い。




こんな気持ちとは裏腹に、


心臓はイラつくほどにうるさく音をたてている。


「つぅかなんで階段!?
上の階行くならエレベーターでいいじゃんかぁ~」


だだをこねるあたしはまるで幼児だ。


子供っぽい、子供染みてる、バカらしい。


「はぁ?莉華もうちょい頭使えよ。バカ、見つかるだろ」


「うぅぅ……バカって……バカだけど…」


返す言葉が見つからない。


ほんとのことだから……ね。


「あと少しだって……ほら、早くしろよ」