【完】甘い恋よりもそばにいて

かすれ気味の……


それこそ至近距離の啓に聞こえるか聞こえないかぐらいの声で言った。






「あたしの人生最大の過ちは……
あなたを失ったことよ、啓。
………………サヨナラ」





覆いかぶさる啓の腕を振り払い、




ーーー逃げた。




勢いよくスウィートルームを飛び出した。



乱れた服をぎこちない手の動きで直し、



止まらない涙にイラつきながら走った。





ただ無我夢中に。