ただ唖然とするあたし。
そんなあたしの手をようやく離し
「そこらへんに座れば?」
と一言、言った啓。
そこらへん……?
そう言われても逆に困る。
この部屋が広いせいでソファーなんてたくさんあるし……
とりあえず一番近くにあったソファーに腰掛けた。
啓は部屋の奥の方へ入って行った。
なにしてんだろ?
こんなとこにひとりポツンと置き去りにされたって……はぁ。
どうしろって言うのよ。
くつろぐことなんて出来ないのよ、あたし。
今、かなりドキドキしてるから………。
悲しいくらい虚しいくらいに心臓の音があたしの耳に響くのよ。
笑えないくらいにね。

