【完】甘い恋よりもそばにいて


「体が勝手にっていうか、俺も意味わかんねーくらい……莉華のこと心配してた、それに……」


啓が何かを言いかけていることなんてもうどーでもよくなった


もう全部に嫌気がさして……。


全部を壊したくなった。





「なに言ってんの?意味わかんないよ……心配してた、そんな言葉いらない。……あたしとあなたはただの他人なの。土足で心の中入って来ないでよ……もう嫌なの、全部」


最後のほうは声が震えてた。


こういうあたし……一番啓には見せたくなかった、一番見られたくなかった。


あたしっていつからこんなに歪んじゃったんだろう……


人の言葉を素直に信じれなくなったのはいつだろう


世界は嘘で固めてある、そう考えるようになったのはいつだろう



ねえ神様。


あたしにはもう少しだけ時間が必要だったの。


そうしたら自分のこともうちょっと抑えられたかもね、ほらあたしって自己処理が上手いから……


確かに男が欲しいって思ってた、でも彼じゃない。


彼は一番欲しくなかった、だって彼は一番大切だったから。