【完】甘い恋よりもそばにいて


「なんでだよ……」


鋭く切り返した。


「莉華も…用事が出来た……って……」


波羅の表情はこわばり動揺している。


途中で言葉を詰まらせるのもやけにあやしい…。


「それだけ……?」


わざと拍子抜けしたような声で聞き返す。


「……うん」


しばらく間を置いてこたえた波羅。


その表情にはどことなく安堵の様子がみえる……。


これは俺の勘だけど……まだ何か隠してる気がしてる。


「用事ってなに……?」


落ち着いた声で語りかける……


「えっと、そこまでは……知らない…の…」


「違う。莉華じゃなくて……そっちの話……」