【完】甘い恋よりもそばにいて


「殴ったりしてごめん……それだけ言いたかったの」


波羅は自分が殴った俺の左頬に手をあててそう言った


「んだよ……今さらごめんって……」


そう俯きがちに言った。


これ以上……何を言えと言うのだろう…


波羅は正論を言ってるだけだ、何を言い返す必要がある


莉華に近づくな…か面と向かって言われると結構キツイな


「じゃ、そういうことだから……あたし用出来たから帰る……」


用……?


そういえば肝心の莉華の姿も俺は見てない……。


「待って……」


そう言って俺はそそくさと店を出ようとした波羅を引き留めた。


「………」


無言で俺に体を向けた波羅。


少し焦っている表情に見えるのは気のせいだろうか…