「啓も変わったんでしょ?…もうみんなで楽しくわいわいやり合ってたときの啓じゃない…グスッ……」
その通り、もう違う。
あの頃とは……。
「そうだな……つかそれがなんなの!関係ねーじゃん。」
俺は急かすように波羅に言った。
「莉華も……一緒だよ。あの子も変わっちゃった…もう二度と啓に莉華が無邪気な笑顔を見せることはない……もちろん、それはあたしにも当てはまるの」
俺に笑顔を見せることはないその言葉なら理解できる。
でも………波羅にもってどういう意味だよ……。
「あたしが啓を殴ったのは……グスッ……中途半端に莉華に接したから……だよ。莉華はちゃんと向き合おうとしてたのに……」
最後の方は聞き取れなかった。
俺が中途半端に莉華に接した……か……確かにその通りだな。
だって俺はまだ莉華を……莉華は俺のことなんてなんとも思っていないのに……。

