そこには、真っ黒に日焼けした男の子が、サッカーボールを持って立っていた。 学生服姿の彼は、いわゆるイケメンで、鼻筋の通った端正な顔をしていた。 「こんばんは!お邪魔しています」 と、彼に向かって挨拶をしたけれど、その男の子は、ちょこんと頭を下げただけだった。 年の近い兄弟がいると聞いていたから、この子はお兄さんかな?と思った。