「ふーん、やっぱりね」 再び、シャーペンをクルクル回転させた彼は、馬鹿にしたように言い放った。 その言い方が、無性に癇に障った。 「どうして、そう思うの?」 冷静さを装いつつ、納得がいかない私は、ムキになって反論した。 腹の中では、正直、ムカついていた。 「だってさぁ。すげぇ無防備だし、経験とかなさそうだもん」 ……はいっ? 無防備? 私が経験なさそう? 何を言ってるの、この子は! 私だって、一通り経験してますよ!と、喉まで出かかった。