お母さんが部屋から出ていったあとは――



獲物でも捕まえたかのように、こちらに妖しげな視線を送る翼くん。



「先生もなかなかやるねぇ!  ところで、途中まで言い掛けたことは何だったの?美咲ちゃん♪」 



……あはっ!バレてるし。


まぁ、一応、私も、家庭教師という身分でこの家に来てるからね。



まさか、息子さんと先生が……なんて、お母さんに知れたら大変だもんね。