――と、頬を伝った涙を、翼くんが指先でそっと拭ってくれた。 翼くんに気付かれちゃった。 やだ……恥ずかしい。 どうしよう。 このままじゃ、顔を上げられないよ。 ―――…!!! トンッと肩に置かれた手に、心臓が飛び跳ねる。 「さっきはごめんね。怖い思いさせちゃって」 優しく語り掛ける翼くんに、俯いたまま、ブルブルっと頭を横に振った。