病院の〈救急外来〉の入り口を出ようとしたときだった。



突然、後ろから肩を掴まれた。 



「キャッ!」



短い悲鳴とともに、咄嗟に後ろを振り向くと、翼くんだった。 



「どうしたの?ビックリするじゃない!」



「どうしたの、じゃないよ。なんで、勝手に帰るんだよ!」



「勝手じゃないわよ。お母さんに挨拶したもん」