年下の彼氏

〈処置室〉と書かれた部屋の前で、お母さんが長椅子に腰を下ろしていた。 



「お袋、美咲さん連れてきたよ!」



翔くんがお母さんに声を掛けると、すぐさまこちらを振り向き、立ち上がった。 


「まぁ、先生ごめんなさいね、驚かせちゃって。あの子、部活帰りに友達と話しこんでいて、そこに車が来たらしいんです。怪我は大したことないんですけどね。今日は、先生が来る日だからって言うこと聞かなくて……。それで、翔に頼んで来て頂いたの。無理を言って、ごめんなさいね」 


お母さんは申し訳なさそうに、深々と頭を下げた。