「陽菜~泣くなって~」
男の子は焦りだす。
そしてポケットから新しい絆創膏を取り出して膝に貼った。
「ほらっ!!ばんそーこー貼ったから大丈夫!!」
さっきと同じ、車の絵柄の絆創膏。
「いた~ぃ...」
それでも女の子が泣きやむ様子はない。
「あっ陽菜!!俺が魔法をかけてやるよ」
「ま...ほぉ...??」
「いたくなくなる魔法!!」
「ほんとに??」
「じゃぁ見といて!!」
男の子は「いたいのいたいの、とんでけー!!」と唱えた。
「もういたくないだろ!?」
「.....うん。いたくない!!ありがと!!...くんは魔法使いだね!!」
女の子の顔には笑みが宿り、
男の子は照れくさそうに笑った。

