「あ~~紗菜ちゃんだ~!!」

「おはよ~う!!愛優ちゃん。」


幼稚園に着くと紗菜が愛優ちゃんを
見つけてはタタタッっと走って行ってしまった。



先生にあいさつをして学校に行こうと
幼稚園の門を出ると....




「陽菜??」



ードキッ



あたしの背後から声がした。


もちろん知ってる声。


声を聞いただけであたしの心臓はドキドキと鳴る。




「お~ぃ。無視か??どうした。」


そう、あたしの『好きな人』の声。



「おはよ。陽希。」


あたしはクルっと振り返る。

あたしきっと今真っ赤な顔だ...。


顔を見られたくなくて俯いたままあいさつをした。




「......熱、大丈夫か??」


陽希はそう言うとあたしの頬に手を当て、
顔を上に向かせた。



陽希と目が合う。

陽希の瞳にはあたしが映っていて....


それだけでまた顔が熱くなる。



「「////////」」



陽希もあたしを見て何も喋らない。


その時だけ時間が止まってるような気がした。