「む、無茶苦茶言うなぁ……」
ぽかん、と呆けて悠矢は立ち上がった詩音を見上げた。
「死にたいの?死にたくないの?」
詩音は右手を差し出して言った。
「死にたくない」
悠矢はその手を取った。
「じゃあ、頑張ろ!死にたくない、死なないって思い込むだけで死ななくなるかもしれないし」
「そんな単純なわけあるかよ……」
ぐいっと詩音は人差し指を悠矢に突きつけた。
あまりに近く唐突だったので悠矢はたじろぐ。
「ある!」
瀬久詩音。
どこまでも強気な少女だった。
基本おとなしくても、おとなしいだけで悲観的でも押しが弱いわけでも真面目でもなんでもない。
やりたいことはやるし、嫌なことははっきり嫌と言う。
そんな性格なのだ。
「わ、わかった。頑張る」
「うん」
安心したように詩音は柔らかく笑う。
悠矢は妙なことになったな、と思いつつなんとかできるかもしれない、と希望を持ったのもまた確かだった。
ぽかん、と呆けて悠矢は立ち上がった詩音を見上げた。
「死にたいの?死にたくないの?」
詩音は右手を差し出して言った。
「死にたくない」
悠矢はその手を取った。
「じゃあ、頑張ろ!死にたくない、死なないって思い込むだけで死ななくなるかもしれないし」
「そんな単純なわけあるかよ……」
ぐいっと詩音は人差し指を悠矢に突きつけた。
あまりに近く唐突だったので悠矢はたじろぐ。
「ある!」
瀬久詩音。
どこまでも強気な少女だった。
基本おとなしくても、おとなしいだけで悲観的でも押しが弱いわけでも真面目でもなんでもない。
やりたいことはやるし、嫌なことははっきり嫌と言う。
そんな性格なのだ。
「わ、わかった。頑張る」
「うん」
安心したように詩音は柔らかく笑う。
悠矢は妙なことになったな、と思いつつなんとかできるかもしれない、と希望を持ったのもまた確かだった。


