『もう離さない…!ずっと傍に居ろ……!』 ようやく結びついた。 やっとたどり着いた。 2人の時間が、 新しい形で動き始めていく。 もう二度と、この手は離さない。 『随分……遠回りしたな、俺ら。』 夜明け前、2人、布団にくるまりながら体温を確かめ合う。 『…うん。そうだね。』 後ろから抱き寄せる。 窓からこぼれさす月の光。 雨はすっかり止んで、 生温かい風が吹いていた。