初めの頃の君は、精神的に乱れていて、
面会出来るほどじゃなかったこと。



もうすでに、幻覚症状まで出ていたこと。



今は治療に専念して、社会復帰に備えていること。



そして、私に申し訳ないと言っていたこと。



『いつか家族になろうな』と言った言葉が、
逆に私を苦しめる。



辛いの……。



思い出すのはいつも、君の優しい笑顔ばかりだから。



これじゃあ、いつまで経っても君を忘れられない。



君の最後の背中で、私の記憶は途切れている。



時間が、少しでも解決してくれたのかどうかは定かではないけれど。



モヤモヤのまま終わりたくはないという気持ちからなのか。



一つの扉の前で、私の足は止まる。