ワンダフルエラー


…あれから、どれくらいたったんだろう。


急激な身体の冷えに、冷や汗をかきながら目が覚めた。

全身ががくがくと震えるくらいの、悪寒。なのに頭の中だけは、まるで全身の熱を集めたかのように熱くてぼんやりしていた。


「…っ」

「サラ?」


わたしの様子に気づいたのか、十夜が隣に座る。思わずぎゅっと十夜の腕を掴んでしまった。

それに一瞬驚いた様子の十夜。


「十夜…」

「どうした?大丈夫?」

「…ごめん、なんか凄く寒い…」


風邪をひくと、どうしてこんなにも心細くなってしまうんだろう。

十夜は、自分が体に掛けていたコートをわたしの布団の中に重ねる。

少しはマシになったけれど、やはり体を揺らすくらいの寒さから逃れる事は出来なかった。


「まだ寒い?」


十夜の言葉に首を縦に振る。

部屋の空気はキンと冷え切っている。ああ、なんでストーブも暖房も使えないの。

自分のウッカリぶりには、あまりに情けなくて涙が出そうになる。