「…手に入らないならいっそ、なんて。ごめんな、俺もどうかしてた」


サラは、体の力が抜けたのか、へなへなと床に座りこんだ。


「ああ…もう駄目だ…いっぱいいっぱい」

「俺も、」


屋上は寒いのに、俺もサラもそこから動こうとはしなかった。

強く押さえつけてしまったせいで、サラの手首が薄っすら赤くなっている。


ごめん、


小さく呟いて、ずっと繋ぎたいと思っていた手を握る。

サラが、綺麗に微笑んで、その手を握り返してくれた。