好き?なんだ、それ。
サラが…、俺を、なんてそんな都合のいいこと。驚きと、戸惑いと、よくわからない感情に息を呑んだ。
「なあ、サラ」
「なんですか」
「今言ったこと、…どういう意味」
サラは、俺を睨みあげながら言う。
「だから、好きなんだって。十夜のこと。…ほんとに、ごめんね」
「…なんで謝るの」
「なんでって。だから十夜はあんなに怒ってたんでしょ?」
「サラ、」
「十夜、大事にしてたよね。居心地のいい、親友って関係。なのに、わたしがあんたのこと好きになっちゃったから…全部おしまいでしょ」
あんなに分厚く空を覆っていた雲が流れて、その隙間から現れた月がサラを照らす。
「…おしまいなわけ、ない」
思わず、溜息を吐いてしまう。
俺は床に押し倒されたままのサラを、そっと抱き起こして、肌蹴てしまったブラウスを隠すように上着を彼女にかけた。
どうしよう、わけがわからない。
けど、

