「やだ…っァ…ッ」
サラの目じりを、一筋の涙が零れる。
俺はそれに舐める様にキスをした。
ごめん、ごめん、
涙を浮かべる、サラの顔を見れなくて、俺はぎゅっと瞼を閉じる。
スッと、自分の頬を冷たいものが零れ落ちた。
雨、降って来た?
そっと目を開くと、サラが、震える手を伸ばして俺の目じりに触れる。
指先についた雫を見て、
それが俺の涙だと知った。
「……す…き…」
苦しそうな吐息に混じって、漏れた言葉。
サラのスカートに伸ばそうとした手が、びくりと震える。なに、もしかしてこんな状況でも英二のことでも考えてる?でも、そんな。
キスをやめて、俺はサラを見る。
「今…なんて…え、好き?」
「…うん、ごめんね」
どういうことだ、これ。
混乱して、思わず離れた俺を不思議そうにサラが見つめる。

