がさがさと鞄から机の中に中身を移していると、真帆が何か言いたそうにこっちを見ているのに気付く。 「…なに?」 「え、あ…ううん、なんでもない」 「なんだよ、変なやつ」 曖昧に笑って誤魔化すものだから、俺は内心首を傾げる。 一日、教師の声も友達の声も、まともに頭に入ってこない。 一つの空席を見つめて、小さく溜息を吐いた。