サラは何も言わない。
「サラ、今、どこいる?」
『…誠東公園』
「わかった。いいから、そのままそこにいて」
言葉を待たずに、来た道を引き返す。
広い公園を足早にまわり、外灯に照らされたベンチに座るひとつの人影を見つけた。
「…サラ!!!」
思わず声を上げれば、サラは思ったよりも落ち着いていて、こちらに向かってゆっくりと手を振った。
そっと隣に座る。
ちらりと様子を窺えば、サラはひとつ溜息をついて、こぶしをまっすぐに突き出した。なんだと思ってみれば、その手は皮がむけていて、内出血で色が変わってしまっていた。
「ぶん殴りました」
「えっ」
「手が、めっちゃ痛いです」

