放課後の教室。
わたしは日直当番で、のんびりと日誌を書きながら隆志君の部活が終わるのを待っていた。
既に6時を過ぎていたので、窓の外から片付けをする運動部の子達の声とか、吹奏楽部の楽器の音だけが聞こえるだけで、
西日に染められるだけのこの場所は怖いくらいに静かだった。
そのときだ。
遠くから小さく足音がすると思ったら、それはバタバタとどんどん音を大きくし、仕舞いにはバンッっと教室の扉が開けられた。
「ぎゃあ!」
「…サラっ!」
「なな、ななな、なんなのよ、十夜のアホ!脅かすな馬鹿!!字がぐしゃってなっちゃったじゃない!どうすんのよ、これ!!」
「聞いてくれよっ」
十夜は、わたしの前の席にドカッと座って、わたしのペットボトルのお茶を無断でぐびぐびと飲み干した。酷い。