気まぐれ社長の犬


「フッさっきまで震えてたくせに強気じゃないですか」


「私、人間は恐くないんです」



私は髪を耳にかけて、にこっと微笑んだ。



「だからとっとと降りてこいっつってんだよ豚野郎」



その場の空気が一瞬固まった気がした。



「お嬢様の口からそんな言葉が出るなんて驚きです。では、行かせていただきましょうか」



団長が合図をすると四方八方から団員が出てくる。



これで全部、か…

結構いるなー弾足りるかな?



「お前、接近戦も出来るか?」


「はい、一応色々と習ってはいました」


「なら後半は接近戦だ。弾が足りねえ」



同じこと考えてたんだ。



「安心して前だけを見ててください」


「わかってるよ」



一斉に襲いかかって来る団員に銃を向けた。

なるべく無駄に弾は使わないように、全員の足を狙って当てていく。


叫び声と共にどんどん床は赤く染まっていった。



「そろそろか…」



カチッカチッと弾が切れる音がすれば、その銃で相手を殴りそのままそれを放り投げる。