気まぐれ社長の犬


気づいた時には私たちはサーカスの舞台にいた。

ぱっとライトがつき団長が照らし出される。



「私たちの舞台にようこそいらっしゃいました。今回のショーの主役はあなた方!美しく…死んでいただきましょう」



そう言ってにやりと笑うと、団長は消えて音楽が鳴り響く。

そして団員たちが私たちの周りをくるくると回りながら跳び跳ねる。


そうだ…最初の演目は〈刺殺〉

四方八方からナイフが飛んでくる。


無尽蔵に投げられるナイフを避け続ける私たち。


「くっそ…きりがねえ」


「こうナイフを投げられては敵にも近づけないし銃も打てません」



応戦するにはこのナイフを止めるしかない、か…。



「響城さん、5秒間だけ私が全てのナイフを止めます。その間に敵を倒せますか?全てじゃなくて大丈夫です。」


「なめるな。4秒で全員倒す」


「ふっ…わかりました。それじゃあ3つ数えたら止めます」



私は深く息を吐く。