気まぐれ社長の犬


朝目が覚めるともう12時だった。


「うわっ妃和!!なんで起こさねえんだ…ってもういないのか」



しかも今日は仕事休みだし。
あーもう何やってんだ俺!!


着替えてリビングに行くと、母さんが残念そうな顔でソファーに座っていた。



「おはよう。どうしたんだよ」


「もうおはようの時間じゃないわよ。そんなことより妃和ちゃんが帰っちゃったのよ」


「まあそういう契約だからな」


「そうね…仕方ないわよね…でも妃和ちゃん、ドレスとか持って行ってくれればよかったのに」


「置いてったの?」


「ええ…気を使わなくていいのにね」


「そうだな」



俺は冷蔵庫からジュースを出して口に入れる。


そういえばあいつチョコが好きなんだよなー主食って言ってたし。

あの時のことを思い出すと、つい顔がゆるんでしまう。

慌てて周りを見ると母さんと目が合った。



「なによニヤニヤして。やっぱりあんたもさみしいんでしょ」


「は?そんなわけねーだろ」


「もー素直じゃないんだから」


「うっせーな。違うって」


「はいはい。あっお昼ご飯そこにあるからね」


「ああわかった」



俺はたいして食欲なんかなかったけど、食べなかったらまた母さんにからかわれそうだったから食べた。