気まぐれ社長の犬


次の朝、会社に行って少し仕事をした後パーティーの会場に向かった。


家に帰らずに会場に行ったから着替えられなかったけど、まあスーツだからいっか。

今日は拳銃を装備しているからスーツの方が良さそうだし。


着いたら私は会場の全ての窓をチェックした。

いつ狙撃されるかわからないし、人が多く集まる今日が絶好のチャンスだから。


舞台近くの窓は高いビルが結構あるから気をつけなきゃな。

でも他の窓はそこまででもないかなー。


チェックし終わる頃にはもう招待客が入って来ていた。



「…あの、今さら何ですけど響城さん社長就任って早くないですか?現社長であるお父様は響城さんが社長になったらどうするんですか?」


「あれ、お前聞いてないの?風間グループの会長が亡くなったから父さんが会長になって、俺が社長になることになったんだよ」


「あっそういえば資料にそんなこと書いてた気もするかも?」


「お前記憶力悪っ」


「興味のないことは頭から消えていくんですよ」


「はっ俺には興味ないってか?」


「当たり前じゃないですかー。1ミリもございません」


「もうお前最低……」



響城さんは苦笑いする。


招待客が集まると壇上に響さんとお父様が上がり話し始めた。


私は窓の近くに立ちそれを聞く。