気まぐれ社長の犬


「お決まりの場所…いや、ぴったりの場所ですね」


「ありがとう。麻生は安全な場所に車を移動させて、車の中で待っててくれ」


「わかりました。終わったらお電話ください」


「あっ後お前はここでいろよ」



響城さんは車に置いてあった拳銃に玉を入れながら私を見下ろす。



「嫌です。ほらもう来ましたよ」



私も銃を取ってホルスターをつけると響城さんとは反対側の扉から外に出る


見るとちょうど車がついて北条組のやつらが出てきた。



「はぁー…気をつけろよ」



私たちの車が去っていくと、北条組のやつらが近づいてくる。



「お前が風間響城だな?」


「そうだよ。わかってんだろ」


「ああ。じゃあ死ね!!」



男は響城さんに向けて発砲する。


私はその前に立ち、同じように引き金をひいた。


大きな金属音がして球が落ちる。



「なっ!?」


「やっぱり…この程度ですか」


「意味わかんねえよ!!」



男は悔しそうにまた発砲する。

私はそれも自分が撃った球を当てて落とした。



「てめえどうやって…!!」


「簡単ですよ。あなたが撃ってすぐ同じ位置に私も球を撃った。2つは同じ力でぶつかって、落ちた。それだけです」


「なっそんなことできるはずねえだろ!!」


「出来ましたけど?」



私はそう言って歩いて行く。



「くそっ…来るなー!!」



怯えた様子の男たちは私に向かって銃を何度も撃つ。



「球の無駄ですよ?」



私はそれを全て避けたり撃ち落としたりした。