「赤松さん、お久しぶりです」
私たちは中に入ってまず赤松さんに挨拶に行った。
「おお響城君久しぶりだね。あれ、隣にいるのは妃和さんじゃないか。どうして2人が一緒にいるんだ?」
「僕たち婚約したんです」
「婚約!?そうだったのかー知らなかったよ!!おめでとう」
「ありがとうございます」
「いやーでも美男美女でお似合いだね。うらやましいよ」
「いえそんな。赤松さんと奥様ほどではありませんよ」
響城さんはそう言って少し離れた場所にいる赤松さんの奥様に目を向けた。
「いやいや私の妻など全然。あっちょっと失礼するよ」
赤松さんは同じ党の議員を見つけそっちに歩いていった。
「いいんですか?婚約者なんて言っちゃって」
「だって他になんて言うんだよ。ボディーガードですなんて言えるわけないだろ」
「まあ確かに……にしても響城さんの演技力には驚きましたよ」
「はっこれぐらいできねえと風間グループ次期社長なんて勤まるか」
「上に立つものは性格が悪いってことですか」
「てめえには言われたくねえよ」
私はそんな言葉を無視してシャンパンを飲んだ。
「聞けよ…!!」
「あの、花月さんですよね?」
「はい?」
声をかけられて後ろを振り向くて男が笑顔で立っていた。

