家に着いてリビングに行くと、見たことのない綺麗な女性がたくさんの荷物と共に立っていた。
「あっ母さん帰って来てたんだ」
「あっ妃和ちゃん!!やっと会えたわー!!」
あたしに気づいた女の人は響城さんを無視してあたしに抱きついてきた。
「あ、あの……」
「あっいきなりごめんなさいね。私響城の母です。やっぱり妃和ちゃん可愛いわー」
「えっどこかで会ったことありますか?」
「ないわよ。でもあなたのお母さんと知り合いなの」
「母とですか!?」
「ええ。アメリカのエステで一緒になって、話したらすごく仲良くなっちゃってねー。それであなたのことを聞いたのよ」
「そうなんですか」
あのお母さんと仲良くなるなんてこの人すごい……
「それで写真を見て一目惚れしたのよー。こんな息子で悪いけどよろしくね」
「おいこんな息子ってなんだよ!!しかも母さんと仲良くなるってお前の母さん何者なんだよ」
「あたしの母は花月瑠和(カゲツルナ)…女優です」
「花月瑠和!?あの日本でも海外でも活躍する!?」
「ええ」
「確かに面影あるな。あっそのフェロモンと色気は母親からきてんのか」
「どうなんでしょうね」
あたしは笑顔を作って眼鏡を外した。
「いやーん眼鏡外すともっと可愛いわね!!もう眼鏡禁止よー!!」
そう言ってお母様はあたしの眼鏡を取り上げた。
「ええ!?あの、お母様!?」
「お母様って…!!」
お母様は驚いた顔をして動きを止めた。
え?もしかしてだめだった?
「可愛すぎるわー!!!もっと呼んでー!!」
もはやお母様のテンションは最高潮だ。
でも見た目すごく若くて綺麗なのに響城さんのお母様だなんてびっくりだなー。
はしゃぐお母様に響城さんは呆れたように話しかけた。

