「私そんなに弱くないですから。それにそんなピンク色の素敵なスーツを着た方がいたら気が散って仕事もしにくいでしょうし」


「は?」


「ピンクのスーツに巻き髪に香水…ぱーこでも目指していらっしゃるんですか?」


「ぱ、ぱーこ!?」


「趣味はカメラですか?あっその高い声もそこからきてたんですね」


「なっ違うわよ!!」


「そんなー遠慮しないでくださいよ。あっじゃあ私はこれで」


「ちょっ」



あたしはそう言うとコーヒーを持って部屋を出た。


ふふ…勝った。

口の悪さであたしに適うわけないでしょ?


顔がゆるむのを感じながらも、響城さんにコーヒーをだした。



「遅かったな。ちょっとぬるいし」


「すみませんそのぐらいの方が飲みやすいかと。あっそういえば相模さん、カメラが趣味なようですよ?」


「は?なにお前らいつの間に仲良くなったの?」


「仲良く…ですか。でもあの人、単純で面白いですね」



あたしがそう言って笑うと、響城さんは顔を引きつらせた。



「笑顔が黒いんだよ。相模も可哀想だな」


「そうですか?なら一緒にピンクのスーツでも着て写真を撮ったらどうです。相模さん喜びますよ」


「あ"?てめえ俺まで一緒にすんじゃねえよ」


「冷たい方ですね」


「てめえには言われたくねえ」



響城さんはそう言ってまた書類に目を移した。

あたしもソファーに座ってパソコンを開く。


ボディーガードしやすいように、ここら辺のビルや地理をちょっと調べておこう。

眼鏡を上げ起動ボタンを押した。