「ま、殺すけどね。あっそうだー先にあっちのお嬢様の方から殺しちゃおっかー?うるさくて目障りだったんだよね。人質なんて1人いれば十分だし?」
犯人が麗美さんの方に銃を向けると麗美さんはびくりと体を震わせた。
「や、やめて!助けて!一條!」
麗美さんの鳴き声に一條はうっすらと目を開ける。
「ぐ、はっ…お嬢…様…」
「一條!!助けて、助けてよ!」
「あーあー、もうやめてあげたら?その人、もうぼろぼろで動けないよ?無駄に叫ぶなよ…うるせーから」
男が撃とうとした瞬間、私はある事を思い出した。
前に…お祖父様が言ってたこと。
そして、私は銃の前に飛び出した。
発砲音とともに私の体は後に倒れる。
「か…はっ」
麗美さんの悲鳴と男の驚いた顔が頭に残る。
お腹から血が溢れ出すのがわかった。
どくどくと…死に近づく音。
あは…は、痛いなあ…
「かばって撃たれちゃうなんて、あんたますますすごいね。とりあえず、とどめさしてあげるよ」
犯人は倒れている私に銃を向ける。
ああ…本当に死んじゃうのかな、私。
できれば…もっと、もっと…生きたかったな…
犯人が引き金を引こうとしたその時、倉庫の扉が開いて煙弾が投げ込まれた。
「ちっ警察か!どうして…!」
犯人は逃げようと反対側の扉に走るもそこからも警察が入ってきて、取り押さえられた。
ああ…全て終わったんだ…やっと。
自分の血の流れを感じながら、私は小さく微笑んだ。

