気まぐれ社長の犬


目の前に2人…後ろに1人…10m先に2人。

一瞬で決めるしかない。

球は5発しかないから外せない。

だけど捕まれば攻撃できなくなる…今しかない!


後ろの犯人から見えないようにホルスターから拳銃を出す。

目の前の2人はお金を確認していて、私の方は見ていない。

すーっと息を吐く。

私は目の前にいる男の腹をまず撃ってからしゃがんでいるリーダーの頭に回し蹴りをくらわし、その反動で後ろを向いて犯人の腹を撃つ。

10m先の犯人が発砲してきた弾を避けて2人の腹を撃った。

そしてリーダーを撃とうと下を見た時はもう遅かった。



「やってくれんじゃねえかーあんた、SITか?」


「いいえ、ただの一般人です。…と言っても、ボディガードをやらせていただいておりますが」


「ふーん、まあどっちでもいいよ。綺麗だから油断してたわ。とりあえずお前、銃捨てろ」



至近距離で銃をつきつけられ持っていた銃を捨てた。


こんなに早く体制を立て直すなんて…あいつを蹴りあげてから4人目を倒すまで、ほんの数秒のはずなのに…



「あなたこそ、元SATかしら?」


「さあ?それはどうだろうね?」



男は笑いながら私に近づいてくる。



「こんなに綺麗なのに、殺しちゃうの勿体無いなー」



犯人はあいた片手で私の体をなぞる。

気持ち悪い…触らないで!

唇を噛んでその言葉を堪える。