「なら私に任せてください。私なら、できます」
「な、そんなこと出来るわけ…っ」
「もう時間もありませんし、早く計画を立てましょう?」
私の意見に、刑事さんたちは時計を見て渋々頷いた。
「絶対に私たちが守りますので」
「はい、よろしくお願いします」
私の笑顔に男たちが落ちた音を聞きながらも、私たちはこれからの計画を建て始めた。
その間、ずっと響城さんは不満そうに私を見つめていた。
「じゃあ、それでいきましょう」
計画の概要が決まって立ち上がった時、響城さんに腕を掴まれ無理矢理部屋の外に出された。
壁と響城さんとの間に挟まれて響城さんの真剣な顔が私に近づく。
「どういうつもりだよ妃和」
「どういうつもり、とは?私はただ麗美さんを助けたいだけですよ」
にこりと笑った顔の隣で、壁についている響城さんの手がぴくりと動いたのがわかった。
「お前、そんないいやつじゃねえだろ。それに…俺がいない所で俺以外のやつの為に命はんじゃねえよ」
「あら?嫉妬ですか?」
響城さんは顔を歪ませ、私を抱きしめた。
「心配なんだよ!!どんなに強いってわかってても…不安でしょうがねえ。妃和のいない世界なんて、考えられねえ。頼むから…俺だけの隣にいろよ…」
抱きしめる腕が強くなって、声が震えているのがわかった。
私は…何を不機嫌になっていたんだろう。
響城さんはこんなにも私を思ってくれているのに。
こんなにも…強く、強く。
「大丈夫ですよ。私は簡単には死にません。少なくとも、あなたの隣以外では。だから…待っていてください。私は必ず、あなたの元に帰ってきますから」
私はゆっくり体を離すと、軽く口付けた。
「じゃあ、行ってきます」
その後私は家を出て、その後ろを離れた所から刑事さんたちが他人を装って跡をついてくる。

