気まぐれ社長の犬


家を出て祖父に拾われてから、響城さんのボディーガードになる為に色々習わされて修行させられた。

だからそれを使う時が来て、少し嬉しかったりする自分がいる。


それに後ろには響城さんがいるんだから、何の心配もない。


私は前から襲いかかってきた男に回し蹴りをくらわせた。



「ふう、これで最後ですね」



後ろを振り返ると響城さんもちょうど終わったところだった。



「後はお前だけだ。団長」



見上げた団長の顔はひきつっているように見えた。



「お強いのですね…私1人では到底敵わなそうだ。だけど私は、私のファミリーを壊したあなた達を絶対に許さない」



団長はそう言うと立っていた綱渡りの紐の上を走り出した。



「させません!」



私は地面に刺さっていたナイフを抜き、団長に投げた。



「ぐああっ」



バランスを崩したピエロは地面に叩きつけられる。



「かっこいいこと言っといて逃げようとしてんじゃねーよ」



響城さんは足に刺さったナイフを踏みつけた。



「ぎゃああっ」



ピエロは足に手を伸ばし悶える。