あたしはゆっくり立ち上がって
脱ぎ捨てたワンピースを着た。
澪音は、静かに煙りを吐き出していた。
澪音は何で泣いたんだろう?
あたしは何で泣いたんだろう?
「…桜。おいで?」
低くて優しい声に
導かれるように
あたしは隣に座った。
火を消しながら
右手であたしの頭を撫でる。
「今も…辛い環境におるん?」
「家にはあまり帰ってない…」
「でも、そんな古くない痣あるやんな?」
「荷物取りに行った時、
…うっかり会っちゃってね…」
出来るだけ会わないように気をつけてても
どうしても顔を合わせてしまうことはある。

