「うちのオトンな、女作って蒸発してん」 「うん…」 「ほんなら、オカンが気ぃ狂いよってな…」 「……ー。」 まるで家と一緒じゃない。 「まぁそれからは、毎日ケンカしたりの繰り返しやな」 「…辛かったね…」 それしか言えなかった。 自分と重なって、胸が締め付けられた。 居場所のない家。 家は怖いところ。 あたしにはそうとしか思えなかったから。 家で寝ることなんて、 ほとんどなかった。 寝静まった頃を見計らって 必要なものだけを取りに行く場所。