しかし、上手くいくはずはなく、僕はカチンコチンのロープを顔面で受け止めた。

「負けるもんか!」と、すぐさまロープを持ち、
『お願いしまーす!』と、声をかけた。

YとYのお父さんはロープを引いたが、僕の足はびくともしなかった。
Yのお父さんは近所の人を何処からか集め、総勢8人でロープを引っ張ってくれた。

その結果、ようやく足は泥から抜け出した。
だが、誰も田んぼを見てなく、僕は泥の上を引きずられ、最終的にアスファルトの道に顔を出すまで引きずられた。

ロープを引っ張ってくれたみんなは僕の顔が見えた瞬間、安心したのか、いっせいにロープを放した。

それによって完全にアスファルトに上がってなかった僕は、ロープをにぎったまま草が生えてる坂を股間と鼻を打ちながら滑り落ち、またもや泥にハマってしまった。

しかし、今度はハマり具合が浅く、自力ではい上がれた。

みんなは心配そうにこっちを見つめていた。

僕はみんなに、
『ありがとうございました。何とか助かりました。これからは気をつけます!』
と、ちゃんと礼をすると、