『ん~、ほんまに分からん。』
と、真剣に答えた。
Rは呆れた様子で、
『あの子はねぇ、純粋やの。だから、アンタがあんなふうにボロボロになりながら助けたせいで、もう、離れられないぐらいあの子の中のアンタの存在はかなり大きく、大切な者になってんのよ!分かる?まぁ、男には分からないかもしれないけど、後、一週間だけ責任とかじゃなく、1人の男として接してやりな!』
と、言ってきた。
僕にはどう接したらいいか分らなかったので、Rに、
『な、なぁ?「男として接する」ってどうすればええの?』
と、恐る恐る聞いた。
すると、意外にも、
『アホやなぁ。あの子を彼女として接すればええねん!』
と、あっさり答えてくれた。

それから少しの沈黙があり、Rが突然、
『アンタって変な責任感強いんやね!Yの事もそうやし、初めて試合会場に行った時もそうやったもんね!それに《天然》やしっ!』と、言いながら笑い出した。

Rが《天然バカ》という意味で言ったのに対し、当時の僕は《天然記念物》と、とらえていた。